農業の経営革新という点で欠かせない視点は、従来の食の川上、川中、川下等の業界構造に捉われない、食と農を一体的に捉えた事業展開である。本稿では「農商工連携」「地域食品の開発・販売」を軸に、こうした食農事業の具体策を示すとともに、各生産品目別の戦略的着眼点についても解説する。
総特集 農業の経営革新と金融機関の融資進出②
② 戦略的食農事業の具体策
1.農商工連携等による展開
リーマンショック以降、デフレ化が進行する中、地域経済はより一層閉塞感が増してきた。地域を担うべき若者の流出や製造業等のアジアをはじめとした海外への生産拠点の移転による影響、新興国の台頭によるグローバルな市場環境の変化など、要因をあげると枚挙に暇がない。
一方、地域には有形無形の多様な魅力のある資源があり、これらを地域産業に活かす取組みも進められている。いわゆる「農商工連携」といわれるスキームでは、産業間の垣根を越えてコラボレーションすることで、それぞれ単独では打開できなかった弱みや課題を相互補完し最小化するとともに、産業の有する特徴のシナジー効果を発揮することが期待される。
農商工連携等、従来の食の川上、川中、川下等の業界構造に捉われない食と農を一体的に捉えた事業展開をここで「食農事業」と称す。異なる産業の事業者・団体・関係機関が連携して食農事業を展開する上で、以下の視点が重要といえる。
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