事業再生のポータルサイト|事業再生オンライン

ad

事業再生プロバイダー一覧

コンサルティング
コンサルティング (48)
コンサルティング組織・団体
コンサルティング組織・団体 (10)
リーガルサービス
リーガルサービス (5)
不動産ソリューション
不動産ソリューション (7)
動産ソリューション
動産ソリューション (2)
ファイナンスサービス
ファイナンスサービス (2)

総特集 農業の経営革新と金融機関の融資進出⑦

⑦ 制度資金ガイド

 ⑥では民間金融機関の農業分野進出の留意点を示した。プロパー融資による進出が望ましいところだが、現実には制度資金の活用が検討されると思われる。本節では代表的な制度資金を紹介する。

1.農業向け制度資金の特色

 農業は自然環境の恩恵を受けて営まれるものであるため、他の産業とは異なる特性を有する。一部の施設園芸等を除いて、農作物の収穫期は限られていることから必然的に収益機会が限定され、豊凶変動とその時々の経済情勢とあいまって、生産者の期待どおりに価格形成されない場合がある。さらに、台風、豪雨といった自然災害が農業経営に与えるダメージは大きく、かつその発生頻度は決して低くはない。元々収益率があまり高くない一次産品でありながら、このようなリスクを包含することから農業の場合、経営計画どおりの収益の確保は容易ではない。

 一方で、効率的な経営を目指すためには農地の取得・整備や関連施設の建設、作業用機械の購入など、多額の資金が必要となる。農業では個人事業者が圧倒的に多く、また株式会社形態の農業生産法人であっても農業を営まない第三者からの出資比率には上限が課せられているため、ほとんどの場合、借入によって資金需要をまかなうこととなる。

 しかし、農業経営体の経営規模は他産業と比較すると零細であり、信用力が脆弱であること、不安定かつ低い収益性、返済期間が極めて長期にわたる傾向、他の用途に転用できない農地が担保の主体であることなどを踏まえると、他産業と同様の融資判断基準で積極的に貸出できる事業形態ではない。このように農業は投融資を受けにくい特性を持つ産業であるため、政策的な金融支援策が充実している。これら制度金融の特徴は、農業信用保証保険制度により、零細かつ脆弱な信用力である者であっても、一定の要件を満たせば低金利で融資が受けられることであり、様々な形の資金需要に対応できる仕組みとなるべく構築されてきた。一方で多くの制度が設けられた結果、政策目的と現状が一致しないケースや、融資窓口と手続が制度によって異なり、利用者の利便性を損なっているなどの指摘もなされるようになってきた。

 そこで02年に制度資金に係る法改正が一斉に実施され、各種制度資金の抜本的見直しが行われた。この一連の改正では、食料・農業・農村基本法が目指す農業構造を確立するため、経営意欲と能力のある農業の担い手が必要とする資金が円滑に供給される制度となるよう設計されている。

 具体的な変更点を見ると、①利用者の利便性の向上、②制度の枠組みの整理、の二つの側面で工夫が見られる。


続きは雑誌をご覧下さい