内閣府は11年3月23日、東日本大震災による直接的な被害額が16~25兆円になるとの試算を公表した。今回の震災の主な特徴は、①被害地域が複数県にまたがり広範囲にわたる、②原発事故及び放射能汚染問題が発生している、③電力不足による計画停電が実施されている点などが挙げられる。
また、デフレなどで企業体力が弱っている中での震災だった。政府は、企業向け緊急支援策を打ち出してはいる。しかし、各種支援策は一時的な延命措置にはなるものの、効果が長続きするものではない。
帝国データバンクの企業概要ファイル「COSMOS2」によれば、震災の影響が大きい東北6県と茨城県に本社を構え、実際に営業活動を行っている企業は約12万8,000社あり、特に被害の大きい太平洋沿岸部の企業は3万2,000社に達する。このほか、東北6県と茨城県に進出する県外企業は約1万6,000社に及ぶ。直接被災した企業だけでなく、その取引先まで含めると影響は多方面に及ぶことが予想される。
すでに関連倒産も複数発生している(図表)。今後、被災地にある企業の現状把握が進むにつれて、震災による直接、間接の影響を受けた関連倒産が次々と明らかになるだろう。現時点では震災の余波がどこまで広がるか未知数な部分も多いが、①自動車やテレビ等の基幹部品の調達難による生産停滞の長期化、②国内初の計画停電がもたらす日本経済全体への影響、③全国的な消費自粛による流通、サービス業の業績悪化、④原発の風評被害を受ける農水産業への影響などを考慮すれば、企業に与える影響は阪神大震災以上となる可能性が高い。
中長期的には復興需要による景気押し上げ効果も期待されるが、震災前から金融円滑化法でリスケ延命中だった企業は全国各地にあり、実体経済の悪化が長引けば、企業倒産は早期に増加局面に転じるおそれが十分にある。(出典:日刊帝国ニュース2011NO.13014より)
【緊急レポート】東日本大震災にかかる倒産事例
東日本大震災にかかる倒産事例






