企業再建・承継コンサルタント協同組合( 以下、CRC)は、2001年11月に設立された。設立以来、一貫して中小・零細企業の「経営改善型の自主再建」を提唱してきた。CRCには、実務に精通した会計士や税理士、弁護士、中小企業診断士、不動産鑑定士など約150名が加盟している。案件ごとに各専門家が集まりチームを立ち上げ、企業再建に着手する。これまでのコンサルティング実績は、190社以上を数える。
代表理事を務める真部敏巳氏は、「CRCの特徴は、3つあります。ひとつ目は、企業再建の一気通貫です。財務・事業等のデューデリジェンスから再建計画の立案、資金繰りの調整まで担当チームが全て行います。ふたつ目は、多種多様な人材。地域を問わず多業種に渡るコンサルティング実績が強みです。最後は、人材登用。再建先の企業に専門家を登用して内部から課題解決に取り組みます」と語る。
中小企業の経営者の多くは、企業経営や専門分野の実務経験が豊富な人材の不足に頭を悩ませている。CRCでは、この問題を解決するため再建計画に合わせた人材を企業内に登用して内部から経営改革を推進する。
相談窓口が一元化できるのもCRCの魅力だ。企業再建や経営改革にかかわる一切を引き受けられるので、相談者の手間を煩わすことはない。CRCは、外部の専門家が加盟する組合であるため、組合内部に人材を抱えていない。
人件費を抑えることができるので、比較的低コストで企業再建をサポートでき
る体制が整っている。
CRC 企業再建・承継コンサルタント協同組合
企業再建・承継コンサルタント協同組合
代表理事 真部 敏巳氏
人材を登用して内部から課題解決
職業としての確立を目指した活動
事業再生業務は、ここ数年で業界再編によるM&A等が頻繁に報道されるようになり、ようやく社会的に認知され始めた。だが、職業として確立していくためには、事業再生に携わる人材を育成してすそ野を広げていくことが必要である。
CRCでは、2006年7月から金融検定協会認定の「ターンアラウンドマネージャー(TAM)養成講座」を運営している。企業再建・承継のプロセスにおいて重要な役割を果たす人材の育成を担う。全8日間のプログラムでは、「経営改善型自主再建」の実行推進役となるTAMに必要な基礎知識から実践ノウハウまでを伝授し、再建・承継のプロを育てることを目指す。
担当講師は、幅広い業種の企業再建・承継に携わってきた中小企業診断士や経営者OB、会計士などの専門家である。実践的な知識とスキルを身につけたい多数の参加者に、質の高い講義を提供している。参加者は、会計士や税理士、経営者の後継ぎなども多い。講座修了者は300名(平成21年10月末時点)に達し、ここから巣立った人材が、実際に中小企業で再建や承継にあたっている。
「TAM養成講座は、地方で事業再生のプロを志望する人が体系的に企業再建・承継の知識やノウハウを学ぶ機会を提供する場所でもあります。全国各地から集まる受講者は、講座を通じてネットワークを広げ、その後の実務に役立てるきっかけになればと願っています」(真部氏)
このほか「企業再建・承継への意識を変えることが第一歩」との視点から、「MAP事業承継診断システム」を開発・提供している。このシステムは、企業承継を「経営」「資産」「人・組織」「財務」に分けて分析・診断。それぞれの分類のどの部分に改善が必要か、各評価が一覧で表示される仕組みとなっている。
企業は商品でなく文化の集合体
CRCの基本方針は、事業中心で再建計画を立案して、B/S(貸借対照表)と共にP/L(損益計算書)の改善にあたる。財務中心でB/Sだけを改善しても、事業を継続するための資金繰りに目処をつけるのは難しい。
世界的金融危機以降、CRCに持ち込まれる相談案件は1.5倍程度に膨らんだ。特徴的なのは、地域を問わず本業の収益力が急激に悪化した企業が増えたことである。M&A市場が縮小したこともあり、各企業は本業の収益力を回復させキャッシュフローを生み出せる経営改善に努めている。
CRCは、M&Aありきの企業再建・承継を考えていない。企業を創業者の理念や社員の活動などが生み出す文化の集合体として捉えているからだ。
「日本の企業や社会に深く根付いている風土を尊重して、再建計画を立案・実施するのです」(真部氏)
ある地方で江戸時代から続く老舗の造り酒屋のケースが象徴的だ。息子や孫は事業を引き継ぐ意思がなく、経営者である父親は70歳になり造り酒屋の事業承継に頭を悩ませていた。
「このケースは、M&Aが唯一の方法でした。老舗であり商品力がしっかりしているので優良な買い手が幾つも候補に挙がっていました。けれども、経営者や親族は屋号を残すことに強くこだわっていた。他人の手に渡ることで、これまで培ってきた造り酒屋の文化が受け継がれないことへの不安から強い抵抗がありました」と真部氏は語る。
結果的にはM&Aを前提とした再建計画をまとめたが、経営者である父親が納得するまで時間をかけて何度も話し合いの場を設けた。
ほとんどの中小・零細企業は、家族経営である場合が多い。そのため、経営者の理念や企業文化、家族の心情などをしっかりと汲んだ再生計画の立案が必要となってくる。
CRCでは、これからも企業文化の承継を最優先にして中小・零細企業の経営改善による自主再建の支援に力を入れていく。TAM養成講座の修了者が増えて全国各地で活躍すれば、日本型の事業再生手法が着実に広がっていくだろう。
● A T T E N T I O N P E O P L E ●
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今井修一氏
今井タスオフィス代表
企業再建・承継
コンサルタント協同組合 特別顧問 - 前職の整理回収機構(RCC)では再生支援業務に数十件関わりました。その経験から再生会社及びターンアラウンドマネージャーに求められることは、第一にPDCAを持続的に実施することです。激変する外部環境に対応するためにも再生計画を2割は上回る自主計画を実行してほしいと思います。第二にステークホルダー、特に金融機関や再生支援者への定期的な報・連・相を行うことです。
CRC 企業再建・承継コンサルタント協同組合
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